腎臓が悪いと言われた方へ ゴールデンウィークを安全に過ごすための食事と生活のポイント
腎臓が悪いと言われた方へ
ゴールデンウィークを安全に過ごすための食事と生活のポイント
こんにちは。みなみ調剤薬局 管理薬剤師の南です。
ゴールデンウィークは、旅行、帰省、外食、来客などで、普段より食事や生活リズムが変わりやすい時期です。楽しい連休である一方、腎臓の働きが低下している方にとっては、塩分のとりすぎ、脱水、水分のとりすぎ、薬の飲み忘れ、市販薬の使用が体調悪化につながることがあります。
腎臓病は、普段は自覚症状が少ないことも多いですが、体の中では水分や塩分、カリウムなどのバランスを調整する力が弱くなっている場合があります。連休中こそ、少しだけ意識して過ごしていただければと思います。
1. 外食では「塩分」に気をつけましょう
外食で一番注意したいのは塩分です。ラーメン、うどん、そば、味噌汁、漬物、佃煮、焼肉のたれ、ドレッシング、加工食品などは、知らないうちに塩分が多くなりやすい食品です。
私が患者さんによくお伝えしているのは、「全部我慢する」よりも「少し残す」「つけて食べる」「汁を飲み干さない」という工夫です。
たとえば、麺類の汁は残す。醤油やソースは直接かけず、小皿につける。味噌汁は半分にする。漬物は少しだけにする。これだけでも腎臓への負担は変わります。
ただし、高齢の方では、制限しすぎて食欲が落ちることも問題です。食事量が減って体力が落ちると、フレイルや転倒のリスクにもつながります。無理な我慢ではなく、続けられる減塩を意識しましょう。
2. 「体に良さそうな食品」も注意が必要です
腎臓が悪い方では、血液中のカリウムが上がりやすくなることがあります。カリウムが高くなりすぎると、不整脈などにつながることがあり、注意が必要です。
バナナ、メロン、キウイ、アボカド、トマトジュース、野菜ジュース、青汁、ドライフルーツ、芋類、豆類などは、一般的には健康的な食品です。しかし、腎臓の働きが低下している方にとっては、量に注意が必要な場合があります。
特に連休中は、「健康のために野菜ジュースを飲もう」「青汁を始めてみよう」「果物を多めに食べよう」と思う方もおられます。ですが、腎臓が悪いと言われている方は、自己判断で急に増やさないようにしてください。
3. 水分は「多く飲めばよい」とは限りません
暑い日や外出が増える時期は、脱水に注意が必要です。一方で、腎機能がかなり低下している方、心不全がある方、むくみやすい方、尿量が少ない方では、水分をとりすぎると体に水がたまり、むくみや息苦しさが出ることがあります。
つまり、腎臓が悪い方の水分管理は、「少なすぎても多すぎてもよくない」という難しさがあります。
主治医から水分制限を言われている方は、その範囲を守ってください。反対に、下痢、嘔吐、発熱、食欲低下がある時は脱水になりやすく、薬の調整が必要になることもあります。体調が悪い時は、我慢せず早めに相談してください。
4. 痛み止めや市販薬は自己判断で使わないでください
連休中は、外出や旅行で頭痛、腰痛、膝の痛みが出ることがあります。その時に注意していただきたいのが、市販の痛み止めです。
ロキソプロフェン、イブプロフェン、ジクロフェナクなどの痛み止めは、腎臓に負担をかけることがあります。特に、高齢の方、血圧の薬を飲んでいる方、利尿薬を飲んでいる方、心臓の薬を飲んでいる方では注意が必要です。
市販薬、風邪薬、漢方薬、サプリメントを買う時は、必ず「腎臓が悪いと言われています」と薬剤師に伝えてください。薬局では、その一言がとても大切な情報になります。
5. 連休前に薬の残りを確認しましょう
ゴールデンウィーク中は、病院や薬局が休みになる日があります。出かける前に、薬の残り、次回受診日、飲み忘れ、頓服薬の有無を確認しておきましょう。
血圧の薬、利尿薬、糖尿病の薬、カリウムを調整する薬、リンを下げる薬などは、自己判断で中止すると危険な場合があります。
一方で、発熱、下痢、嘔吐、食事がとれない時には、いつも通り薬を飲んでよいか確認が必要な場合もあります。特に糖尿病の薬や利尿薬、腎臓に関係する薬を飲んでいる方は、体調不良時の対応を事前に確認しておくと安心です。
6. 早めに相談してほしい症状
次のような症状がある時は、連休中でも早めに医療機関へ相談してください。
足や顔のむくみが強い
急に体重が増えた
息苦しい
尿が極端に少ない
強いだるさがある
食事がとれない
吐き気、下痢、発熱が続く
動悸や胸の違和感がある
腎臓病の管理で大切なのは、「悪くなってから我慢すること」ではなく、「悪くなる前に気づくこと」です。
みなみ調剤薬局では、患者さんが連休中も安心して過ごせるように、お薬や食事、市販薬の相談をお受けしています。腎臓が悪いと言われている方は、薬を受け取る時だけでなく、市販薬を買う時や体調が不安な時にも、遠慮なくご相談ください。
患者さんへの三行まとめ
連休中は、外食の塩分、果物や野菜ジュースのとりすぎ、脱水や水分のとりすぎに注意しましょう。
痛み止め、市販薬、漢方薬、サプリメントは腎臓に影響することがあるため、自己判断で使わないでください。
むくみ、息苦しさ、急な体重増加、尿が少ない、強いだるさがあれば早めに相談しましょう。
みなみ調剤薬局
管理薬剤師 南
参考文献
[1] 日本腎臓学会 編. エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018. 東京医学社, 2018.
[2] 日本高血圧学会 編. 高血圧治療ガイドライン2019. 日本高血圧学会, 2019.
[3] 日本老年医学会 編. 高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015. メジカルビュー社, 2015.
[4] 日本糖尿病学会 編. 糖尿病治療ガイド2018-2019. 文光堂, 2018.
